「サークル栗多山」公式サイト

2014年2月14日。
大雪で首都圏の交通網が完全マヒ。
私も帰宅困難となり、その日の出来事をかきました。
文章＋写真＋スクショ＋絵という、
色々ごちゃまぜになった日記のようなものです。
「続きを読む」からどうぞ。


2014年2月14日

大雪の予報により、
15時過ぎくらいから続々と職場の人が早退していく中、
俺は急いで仕事をしていた・・・

1カ月の中で一番忙しい日＋突発の面倒な事案が重なり、
午後を最高に慌ただしく過ごし、
気がつけば21時。

やることはありまクリスティー。
まあいざとなれば会社で一晩過ごして、
雪が止んだら帰ってもいいかなとか思っていた。

しかし、
こまめに中央線の運行情報を見ていたところ、
意外と動いているようなので、帰宅を決意。




21：40
新宿から中央線で自宅の最寄り駅の国分寺まで、通常は30分。



ダイヤが多少乱れてはいるものの、普通に動いている。
良かった、
今日は寒いし帰りにスーパーで「こしあん」を買って、
おしるこでも作ろう。
冷凍庫にパンもあるから小倉トーストも作ろう。
ついでに小倉ありすの動画でも見よう。
・・・と、のんきに思っていた。

しかし・・・


22：00
三鷹で電車が止まった・・・



吹雪による見合わせではなく、ポイント故障のようだ。
まあそれなら1時間弱で動くだろ・・・と思った。
乗客はぱらぱらと電車から降りていく。
奇跡的に座れた。
帰宅時の中央線で座れるなんて滅多にないので、
このまま座って復旧を待つことにした。


23：10

車掌さんのアナウンスが

「運転再開までかなり時間がかかる見通しです」
↓
「相当な時間を要すると思われます」
↓
「再開見込みがたっておりません」

と、どんどん良くない方向へ変わっていく。

まずいかも・・・と思っていたら、
衝撃の事実が発覚する。



近くに座っていたオッサンが電話をし始めて、
「あーもしもし〜？
今吉祥寺なんですけど、もう動きそうにないんですよ〜」
と。

・・・吉祥寺・・・？

そう、俺がいたのは三鷹ではなく、そのひとつ前の吉祥寺だった！

駅アナウンスが
「京王線への振り替え輸送を行っております」
と言ってたのを、
「三鷹から総武線で吉祥寺まで戻ったら、吉祥寺から京王線に乗れますよ〜」
という意味だと勝手に解釈していた。



そうか、ここは吉祥寺か・・・。
吉祥寺なら結構遊びに行くから、土地勘がある。
このまま朝まで電車が動かないフラグがビンビンにたっているので、
行動することにした。



案１：カラオケやファミレスで一晩明かす
→大雪だし開いてる店を探しに歩きたくない。

案２：ホテルに泊まる
→スマホで色々検索したものの、全て予約満室。
何より金曜の夜ということで一泊2万くらいする。

案３：ここが吉祥寺なら井の頭線で渋谷まで行ける。

渋谷は5年弱働いていたので土地勘がある。渋谷ならホテルもたくさんあるだろう。
→渋谷はホテルたくさんあっても人口も多いから結局満室かも・・・

案４：渋谷まで行って、まだ動いている山手線で職場まで戻って朝まで仕事する。
やり残した仕事を片付けとくと月曜日楽になる。
→実際問題、
今から働く気力があるかと言われると、Ｎｏ・・・




まわりは諦めて寝ているオッサンが多数。
このまま復旧まで電車に乗ってるつもりか・・・
まあ暖房きいてるし、
朝まで寝ることができればそれが楽かもしれない。
でも俺は横になって眠りたいんだ。
それに停電して暖房切れたらどうするんだ。
（↑この予想は当たることになる。
中央線は24時過ぎに停電し、暖房が切れ、
極寒の中、乗客達は朝を迎えることになった）


23：53
上記の１〜４の案のリスク・リターン・成功確率を考えて
ギリギリまで悩んでいると、
ツイッターを見た親切な方より
「京王井の頭線で明大前まで行って、
京王線に乗り換えて府中からのタクシーかバスは？」
というメッセージが届く。



そうだ！それ最高！それ採用！
とライムを刻みながら京王井の頭線へ向かう。
ここが三鷹ではなく吉祥寺だというのが幸いした。

窮地に陥っている時に、
４つ選択肢が思い浮かぶと、その４つからなんとかしてベストなものを選ぼうとする。
しかし、ちょっと考えれば５つ目、６つ目の選択肢も出てくるのだ。
これはいつか諺にしなければ・・・





吉祥寺→明大前→調布→府中の乗り換えルート。
これならいける！

24：10
吉祥寺→明大前の移動中は、

「なんとかなりそうだ！帰る！横になって暖かい布団で寝る！
月曜仕事を休むわけにはいかないし、
来週末は友人の結婚式で名古屋まで行くので体調を崩したくない！」

といった心境。
この区間も奇跡的に座れる。
この時スマホの充電が4％くらいだったけど、
カバンの奥の方から、非常時用に入れておいた充電機を発見。
思わずHOWEVERのサビが頭を流れた。備えあればGLAY無し！


ちなみにこれが23：57の吉祥寺での遅延路線図。

赤色が運転見合わせの路線。





24：40
明大前→調布の区間。
ギュウギュウ詰めの厳しい環境の中、
列車が止まったり動いたりでヤキモキする。
ipodの充電が切れそうなので、かけていた音楽を止める。
府中まで着いたとして、
そこからタクシー・バスに乗れずに国分寺まで歩くとしたら１時間はかかる。
そこで聴くために、今ipodのバッテリーを使うわけにはいかない・・・
車内で大きな声(しかも純度の高いアニメ声）で会話するババアにイラつく。


25：00
調布の駅で乗り換えのために降りる。
府中行きの乗り換えの電車が遅れているそうで、
なかなか来ない・・・
空腹も限界になり、駅ホームのベンチで、
職場でもらったバレンタインデーの義理チョコを食べる。
本当に助かった。命のチョコである。





25：20
ようやく調布に電車が来た。
府中までの通常ならわずか５分の区間、何度も止まる。





「行けるところまで行きます」のアナウンスで有名な京王線だけど、
疲れきった車掌さんのアナウンスが面白かった。

「えぇ〜、ただいまぁ〜・・・ふうぅ・・
色んな踏切の箇所に、・・・違うな・・・色んな箇所の踏切に・・・
異常が発生しているためぇ・・・車掌さんがー・・・確認を取っております・・・」

車内から笑い声が。

同じ列車に乗っていた方々のツイッターのつぶやき
↓








25：50
そしてついに府中に到着。
トイレに行くも、超並んでる。


もうほぼクリアした感が出てるでしょ？
でも、ここからが本当の闘いだったのです。
電車を降りるまでがバラモス戦。
ここからがゾーマ戦・・・





結局トイレは諦めて
バス乗り場へ続く歩道橋のようなところへ行くと、
既にもう並んでる。
駅員さんがトランシーバーでバス乗り場の人と連絡を取っている。

「現在50名くらいのお客様が並んでおります！」
「はぁ！？並ばせてんの！？もう2台とも満杯だよ！」
「ええっ！ちょっと確認に参ります！」

俺も列を抜けてバス乗り場まで行ってみると、
インドかよってくらいぎゅうぎゅうづめのバスが２台。
これが最終バスらしい。
並んでる人の怒りのクレームに対し、
駅員さんも
「本来、もう最終バスは終わってる時間ですから！」と声を荒げる。


タクシー乗り場へ向かうも、行列・・・

府中駅から近い場所にあるという
スーパー銭湯に行くかと思ったものの、
横殴りの大雪で、スマホを取り出して地図を出すのがためらわれる。





くぅ〜〜〜〜・・・！

・・・・歩いて帰るか・・・！




府中から国分寺までは一度歩いたことがある。
１時間ほどの道のりだ。


バス乗り場の駅員さんに確認。

「歩いて国分寺まで行こうと思うんですが、
こっちの道でいいですよね？」


「はい、こっちですが・・・でも、結構遠いですよ・・・？
大丈夫ですか・・・？」



そう言われても、
バスも最終、タクシーも長蛇の列で、
次いつ来るのか分からないんじゃあ、
歩くしかないだろう・・・！






最寄りのコンビニ、デイリーヤマザキへ。
トイレで、
非常用に入れておいた替えの靴下に履き替える（持ってて良かった・・・）。
マフラー、帽子、マスクを完全装備。
暖かい飲み物を買い、ビニールにスマホ類を入れる。
レジの店員さんから「頑張って下さい！」と声をかけられる。
府中駅から国分寺駅を目指し、
国道133号をひたすら北へ向かう・・・！

雪も風も強く、傘は役に立たないので閉じた。

歩道はふくらはぎの半ばまで雪が積もり、かきわけてしか歩けない。



車がほとんど通っていないのをいいことに、

車道のど真ん中を・・・走る！


そう、走りました・・・
小走りよりやや早いくらい。

本当に雪が酷くて、寒くて、一刻も早く帰りたかった。
ipodで音楽聴きながらチンタラ歩く手もあったけど、
イヤホンがダメになるだろうし。


途中ローソンがあったので、
店の前軒下で小休止して飲み物を飲み、
全身の雪を払っていたら、
お客さんゼロでヒマそうにしていた店員さんが
「どうぞ、中へ・・・」と。

マスクが結露で濡れまくっていたので新しいのを買う。
ここでも「頑張って下さい！」と言われる。






残りの道のりも決死の行軍。
まあ、なんというか・・・辛かった。

辛かったぞー！

久々に本気出した。

その割に一度も転ばなかったので、
実は俺運動神経いいんじゃないのという疑惑。





26：05にデイリーを出て、結局30分弱駆けて帰宅。







全身はもちろん、カバンの中身も含めてビチョビチョ。

そこから、
風呂にお湯がたまるまでの時間が、
長いこと長いこと・・・























朝11時。
おだやかな目覚め。

「中央線」で検索をかけると、まだ動いていないようでゾッとした。
あのまま吉祥寺で中央線に乗っていたら、
今頃まだ中央線に乗っていたんだ。


出所を忘れてしまったんだけど、好きな小話。

「 二匹のネズミが生クリームの中に落ち、二匹とも一生懸命もがいた。
一匹は諦め、溺れ死んだ。
もう一匹は頑張ってもがき続けたところ、
生クリームは次第に固まりバターとなり助かった 」


一部には、
頑張って走り続けてバターになって食べられた不運なトラもいるけど・・・


俺は無事に帰宅することが出来た。

めでたしめでたし。




長文なのに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
長々書いて疲れたのでもうひと眠りします！